AGIT. FOR HAIR exblog / KiRiGiRiS

GLORYTELLERS

AGIT. のCDプレイヤーが厄介だ。
叩かないと読み取らないという病。
健康体であれば、CDを挿入すると、すぐさまPLAYするのだが、
今は「NO DISC」＿意訳すると「アタマ真っ白」と
思考停止を告げる表示で、始まらずして終了。
それこそアタマをすっきりさせようと
ヘッドクリーナーをかけたり色々手を尽くしたが、その甲斐なし＿.....
ただ、叩いて読み取ってくれれば
音飛びもせず回るので、おのずとREPLAYを繰り返す。
云い変えると、繰り返し聴いていたいCDをかけている。

先頃来日したGLORYTELLERSのアルバムが素敵だ。
SECRET STARS〜KARATE〜ソロときたジェフファリーナの
新しいバンドだ。繰り返し聴いている。
今回のライヴには行けなかったが、
２年程前ソロでやったライヴは見る事ができて
忘れられない夜になっている。


スピーカーは、これから
懐かしくなってくるであろう
ナショナル製。
深みのある
ええ音してます。

IN THE MIDNIGHT HOUR

そのラーメン屋に行くようになったのは
味はもちろんのこと、日替わり定食４８０円という
とても懐に優しい価格で満腹感にほかならない。
だいたい同じ時間にだいたい同じ席に着くと
だいたい同じ顔ぶれを見かける。
なにやらギターをいじくってる好好爺A、
店主にひっきりなしにしゃべりかけてる好好爺B。

その日は、冷たい雨から逃れるように行った。
前の席でAとBとが膝突き合わせて歌っていた。
ギターとうたA、うた（いっちょかみ）Bの好好爺ユニット。
好好爺Aには惹き込まれるものがあった。
好好爺Bが帰ってからは、
ギターとうたAに店の女将がギターとうたで絡んできた。
好好爺with女将、このハーモニーにぞくっとした。
「震災ん時、作った曲やねん」と云って始めたうたに
重力を失っておぼれていくような感覚にひたっていったのは
感情に直結した制御不能で溢れ出た分泌液が
視界を滲ませたせいだけではないだろう。
指先で煙草の灰がぽとりと崩れ落ちた。迂闊にも染みた。

それから好好爺からギターを手渡された。
このアウェー感を打破するために、何か演らなければいけない。
しかし、ちゃんとバンド組んで演ってた時も
ちゃんとギターを弾けたことも歌えたこともなく、
ここんとこちゃんとギターを触ってもいない。
幸いそのギターの鳴りは抜群に良い。
一発本番ではったりかまして「スローバラード」を演った。
自分のおっちょこちょいぶりを露呈してしまったが
なぜか受入れられた。

店の２階はちょっとしたライヴスペースになっていて
壁にはずら〜と好好爺がリペアした（リペア中）のギターが
掛かっていて、そこで好好爺とギター弾いたり話ししたりして
気付けば２時間３５分くらい経っていた。
雨は上がっていた。

家に帰って、久々に自分のギターを触るとひんやりしていた。
やっぱりちゃんと弾けなかったが、指は熱くて
そのちょっとした痛さがじわあっときて心地よかった。

初コーボー

「読まず嫌い」というものがある。
「食わず嫌い」と似たようなものだ。
何度か食べてみて苦手になったものではなく、
一度も経験していないくせに、
それを食べたら何か悪影響があるのではないかという
不安や恐怖といった自分勝手なイメージによる躊躇、拒絶。
しかし、消極的ではあるが好奇心は残っている。
その挑戦の先に、「やめられないとまらない」な
地平があるかも知れない。
とは云ったものの、虫は食えないな。虫だけは....。

安部公房「第四間氷期」を読む。

「読まず嫌い」だった安部公房の作品を初めて読んだ。
まだ幼い頃、テレヴィでやっていた映画「砂の女」を
食い入るように観ていた親父の横で、
子供ながらにその奇妙さと白黒ゆえの妄想で
「安部公房 イコール 恐い」となってしまい、
それから何度か、いろんな方から推薦をうけたものの、
なかなか読めずにいた。
今頃になって、虫が起こったのだ。

安部公房「第四間氷期」は、五十年程前に書かれたものだが、
現代に共鳴する、その近未来との不穏ともいえる距離に
あまり誤差がないのではと感じる背景と、
登場人物たちの立ち位置や思い、
または、それぞれの哲学や思想といった模様が織り成す、
面白くも考えさせられる、バックラッシュを放つ小説だった。

安部公房が「やめられないとまらない」ものになって、
次に何を読もうかと思っているが、
「砂の女」は後回しにしようと、やっぱり思う。

ちょっとした本の虫かもしれないが、
虫はやっぱり食えないなと思う。

えべっつあん

ついさっきまで正月で、年明けでと思っていたら、
えべっさんです。
１０日をメインに前後、EBISU 3 DAYS です。
家からひょいひょいと行ったところで、えべっさんです。
祭りです。普段はひっそりしてるところですが、
9,10,11 は、祭りでにぎやかです。
僕は祭りが大好きなので、この騒がしさは
楽しくてしかたありません。
屋台で呑んで、屋台で食って、屋台を後にして
また屋台に行く。
いろいろかさばりますが、けちくさいことはタブーです。
なんせ、えべっさんですから。
３日とも行きます。
なんせ、家のそばですから。

最近、料理は作ってないのですか？と、問われます。
作ってます。
こないだは、七草がゆならぬ七草ぞうすいをこしらえました。
ちょっとずるして、鶏ささみ入れました。

THE GALAXY EXPRESS "BLACK HOLE"

いつものように改札を抜け、階段を上がり
電光掲示を見遣ると「臨時特急 黒穴 10分遅れ」とある。
「黒穴」に出くわすのは、エビスビールの鯛を二匹持ったエビスさん、
コアラのマーチの眉毛ありに匹敵するくらいの、滅多にないことなので、
その日の仕事をすっぽかしてでも乗るべき千載一遇の機会なのだった。
ホームに到着した「黒穴」は、今からまさに宇宙へ飛び立つに
ふさわしいフューチャーな佇まいだった。
客席は空いていて、僕は４人掛けの進路を前にする窓際に座った。
いつもながらの車窓をぼんやり眺めていると、
ふいに景色が遠くなっていき、雲を突き抜けていった。
「黒穴」は、先程までとうってかわって、蒸気機関車になっていて、
いよいよ大気圏を突入するころ、僕はでたらめに口笛を吹いていた。
そり上がった前方の車両は、闇の中に薄紫色の煙を纏っていて、
僕はその屋根の上に、何かの拍子に瞬く
小さな細い二つの光に気をとられていた。
それはネコの眼だった。
この大気圏外にさらされていては不遇だと思い、
にしても迷いなく僕は窓を開け「おーい！」と叫び呼んだ。
その二つの光は、それより向こうの星よりも現実的に
こちらへとジグザグにすばやく寄って来て、僕の膝の上でまるまった。
そのネコは、陰と陽をあらわすような、左は白、右は黒といった毛色だった。
「ああ、おまえは宇宙ネコだな」というと、
そのネコは静かに眼を閉じ「フニャア」とぼそりと鳴いて眠った。

Happy New Year 2008

明けましておめでとうございます。
健やかで幸せな1年をおくれますようお祈りいたします。

正月、実家に帰っている間、なにげなく書棚をがさがさしていて
手にした自分の小学生時代の文集に、
奔放で躊躇なし、といった子どもならではの自由さが
可笑しくもあり、懐かしくもありでしたが、
それよりも身が引き締まる思いがしました。
寒さのせいだけではないでしょう。
経験値は重要な要素ですが、足かせにもなりうるかと思う。
感性や思考を、改めて柔軟にかつ鋭敏にし、能動的に生かねば＿と感じた。

何云うてるんでしょう、私は＿。
明日もう1日休んで、正月気分、正月惚けを抜いて５日、
仕事初めです。

今年もどうぞ宜しくお願いいたします。