ゲゲゲのゲ |
毎年のことではあるけれど、
道場破りぐらいの戦闘モードになる。
毎度のことではあるけれど、
窓口でちゃっちゃと出して、ポンポンとはんこ押されて
って、あっけないものなのだが、とりあえず戦慄がはしるのだ。
そこにユーモアなど皆無だ。
出口の向こうに春が待っている。
近くの喫茶店で一息つきながら、
「ほんまにオレはアホやろか/水木しげる」を読む。
「水木荘」はこのあたりにあったのだろうが、
水木通にある税務署に行ったからではない。
波乱万丈の半生を飄々と綴った語り口に、
じわっと心の深いところを撫でられる。
何度読んでも、その度にぐっとくる。
いまは、水木氏が「鬼太郎」でブレークする年齢に
僕が近づいているからなおさらかもしれない。
「人間、つまらんことでも骨をおっていれば、やはり、
天の報いみたいなことが、あるような気がする」(あとがきより)
深い。