汚れつちまつた悲しみに

右目の毛細血管が切れて1週間経ち、カミさんは「ましになってきたね」
というが、ただ見慣れてきただけなのではないだろうか。まだ真っ赤っかだ。
ずらした盆休み明け初日の眼科は、予想通り混合っていた。
あらかじめ待つ事を前提にしていたので、本を持って来ていた。
かばんから徐に取り出し開く。
患者さんの名を呼ぶ声や、その看護婦さんたちの足音や、
診察室から聞こえる先生と患者のやりとり、自動ドアの開閉音やら、
なにより病院という独特の空間に、「汚れつちまつた悲しみに／中原中也」の
リズムは溶け込むわけではないが、心地よい。
診察はあっけないものだった。
先生は、順調に良くなってきているというが、
自分の回復力の衰えは、自覚している。

先日、また一つ歳をとった。
お祝してもらえることは、やはりうれしいのだが、
ここまで生きてこれたことに、生かしていただいたことに、
とりわけ家族に感謝の意を表したい。うまくできないけど。

そんな昨夜、「鶏肉のおろし大根煮」を作った。
なるべく、あっさりめあっさりめと心がけながら。
彩り良くしようと、旬のオクラをちらしてみた。
これまでになく、
カミさんが、ぺろりと完食し、
まだ半分残っている僕は
満足した。








友人の助言にて、画像をちょいと小さくしてみた。
皆さん、サン・キュー！